風 景

滋 賀


 青土ダム


   訪問日


 2012年 8月
 2016年 6月(追記)


詳 細


 滋賀県 甲賀市にあるロックフィルダムです。
 ロックフィルダムとは岩石や土砂を積み上げた構造のダムの事です。

 青土(おおづち)ダムは野洲川上流にあり、1988年に完成した県営の多目的ダムです。
 さらに上流にある灌漑用の野洲川ダムを補助し、洪水軽減や水資源確保の為に建設されました。
 堤高43.5m、堤頂長360m、総貯水容量730万立方メートルです。


 このダムの特徴は自由越流頂式の常用洪水吐きと非常用洪水吐きです。
 「常用洪水吐き」は常満クレスト(自由越流堰)・ゲートレスオリフィス直結型を2門採用し、
 「非常用洪水吐き」はクレスト自由越流式を2門採用しています。

 「洪水吐き」とは洪水がダムに入ってきた際にダム保安の為に使用する放流設備です。
 洪水調整が目的のダムでは、下流河川保護の為に調整放流する為の設備の事も言います。

 自由越流頂式の常用洪水吐きは日本ではほとんど採用されていない珍しい構造です。
 ロックフィルダムなのでデザインが特殊になり、この形は世界でもここにしか無いと言われています。


 このダムの平常時最高貯水位は標高292m(貯水率100%)です。
 常満クレストを採用している為、普段から水位は290m付近になっています。
 洪水時最高水位は300m(貯水率275%)で、最高水位を越えると非常洪水吐きから越流していきます。
 貯水率275%・・・  現実にはあり得ない数字なので放流を見る事は出来ません。


 このダムが無駄だという事では決してありません。個人的な思いです。
 ダムはよく無用の長物や税金の無駄使いとして批判の槍玉に挙げられます。
 治水ダムの効果は巨額の建設費に見合ったものなのか机上の空論に過ぎなかったのかは、
 実際に運用を開始するまで分からないと言われています。
 無駄使いだったダムは実際に存在します。目に見える判り易い部分しか報道されていませんが、
 建設には多くの犠牲や故郷を失う悲しみを伴っている事を、ないがしろにしてはいけないと思います。

 ただのコンクリートの塊かもしれませんが、土木技術の粋を結集してダムは造られています。
 普段何気ない事でも視点を変えてみると違った面が見えてくるかもしれません。


 2016年 6月に再訪し、放流するダムを追加しました。
 自由越流頂式の為、吸い込まれそうな独特な雰囲気があります。
 同じ自由越流頂式でも大分県の白水ダムや、 秋田県の藤倉ダムとは規模や構造が違う為、
 違った雰囲気を味わえます。


行き方


 栗東市内から国道1号線を鈴鹿方面へ行きます。
 新名神 甲賀土山I.Cの先にある県道9号線との交差点(土山支所前)を北へ曲がります。 
 道なりに行くとダムが見えてきます。駐車場は沿道にたくさんあります。










広場と公園になっています。
ダム下に公園が多いのは、コンクリートのサイトや事務所などの跡地を転用した為です。




手前は取水設備です。




堤体 上流側。




同じく下流側。
ロックフィルなので表面は全て岩石です。




天端は県道になっています。




目的の洪水吐きです。




残念ながら放流はしていませんでした。
この日の水位は291mでした。








水面に穴が開いているかの様です。
楕円を半分にした形なので、グローリーホールの様な不気味さはありません。




非常用洪水吐き。
こちらは四角です。




減勢工です。
手前から導流部、減勢池・水叩き、副ダムと言います。




ダム湖に浮桟橋があります。




あまり揺れません。
2016年現在、流されたのかして通行不可となっていました。




2016年 6月追記。
放流中。








吸い込まれそうな独特な雰囲気があります。
グローリーホールに近い構造となっています。












自由越流頂式なので越流部は水が白くなり美しいです。




減勢工。
水が流れていると構造部が見えませんが、
各部が仕事をしているのがよくわかります。






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